【超訳ニーチェの言葉】ニーチェに学ぶ2025年を最高の1年にする珠玉の名言!絶えず進め、より高みを目指すことができるはずだ!

哲学×悩み

今回は「ニーチェに学ぶ2025年を最高の1年にする名言」について考えていきましょう。参考文献は『超訳ニーチェの言葉』(編者:白鳥春彦さん)です。

【超訳ニーチェの言葉】ニーチェに学ぶ2025年を最高の1年にする珠玉の名言!絶えず進め、より高みを目指すことができるはずだ!

新年あけましておめでとうございます。2025年もどうぞよろしくお願い致します。フリードリヒ・ニーチェは19世紀に活躍した実存主義を代表するドイツの哲学者です。実存主義は現実に存在する私が幸せに生きるためにどうすればよいのかを考える哲学です。ドイツ観念論のショーペンハウアーの著書に大きな影響を受け、「神は死んだ」という言葉を残したことでも有名です。

ニーチェはこの世界に意味や目的などなく虚無なる生が永遠に繰り返されると考えました。これを「永劫回帰」といいます。しかし永遠に繰り返されるならもう一度歩みたいと思えるような人生を送ること、意味や目的がなくてもそれを受け入れ力強く生きることこそが大切であると言ったのです。このようなニーチェの哲学はきっと新年の一歩を踏み出すみなさんの心にささるはずです。

そこで今回はニーチェの珠玉の名言の数々を紹介したいと思います。全部で232の名言が紹介されていますがその中から選りすぐりの名言を紹介します。ぜひラジオ感覚で何度も聞き返しながらお気に入りの名言を今年の座右の銘として下さい。

  1. 1 己について
    1. 初めの一歩は自分への尊敬から(『力への意志』)
    2. 自分を知ることから始めよう(『曙光』)
    3. 自分は常に新しくなっていく(『悦ばしき知識』)
    4. 信頼が欲しければ行動で示せ(『漂泊者とその影』)
    5. いつも機嫌よく生きるコツ(『人間的な、あまりに人間的な』)
    6. 無限の豊かさは自分にある(『悦ばしき知識』)
  2. 2 喜について
    1. 満足が贅沢(『漂泊者とその影』)
    2. 朝起きたら考えること(『人間的な、あまりに人間的な』)
    3. 精神が高まるほど繊細なものを喜べる(『漂泊者とその影』)
  3. 3 生について
    1. 人生を最高に旅せよ(『漂泊者とその影』)
    2. 生活を重んじる(『漂泊者とその影』)
    3. 脱皮して生きていく(『曙光』)
    4. いつかは死ぬのだから(『力への意志』)
  4. 4 心について
    1. 軽やかな心をもつ(『人間的な、あまりに人間的な』)
    2. 風景が心に与えるもの(『人間的な、あまりに人間的な』)
    3. 平等の欲望(『人間的な、あまりに人間的な』)
    4. 飽きるのは自分の成長が止まっているから(『悦ばしき知識』)
    5. なぜ自由な人はスマートか(『善悪の彼岸』)
  5. 5 世について
    1. 世間を超えて生きる(『善悪の彼岸』)
    2. 見かけにだまされない(『曙光』)
    3. 責める人はみずからをあらわにする(『曙光』)
    4. 組織をはみ出す人(『人間的な、あまりに人間的な』)
    5. ニセ教師の教えること(『力への意志』)
  6. 6 人について
    1. 偉人は変人かもしれない(『悦ばしき知識』)
    2. 真に独創的な人物とは(『悦ばしき知識』)
    3. 自分の弱さと欠点を知っておく(『漂泊者とその影』)
  7. 7 知について
    1. 本質を見分ける(『漂泊者とその影』)
    2. 視点を変える(『曙光』)
    3. 古典を読む利益(『人間的な、あまりに人間的な』)
    4. 学ぶ意志のある人は退屈を感じない(『漂泊者とその影』)
    5. 自分の哲学をもつな(『人間的な、あまりに人間的な』)
    6. 考えは言葉の質と量で決まる(『曙光』)
  8. 8 美について
    1. 理想や夢を捨てない(『ツァラトゥストラはかく語り』)
    2. 絶えず進んでいく(『ツァラトゥストラはかく語り』)
    3. 矜持をもて(『善悪の彼岸』)
    4. 知的で美しい人を探すなら(『曙光』)
  9. 9 まとめ

1 己について

初めの一歩は自分への尊敬から(『力への意志』)

自分はたいしたことがない人間だなんて思わないでください。それは自分の行動や考え方をしばってしまうようなことになってしまうのです。まだ何もしていなかったとしても自分のことを人間として尊敬してみてください。そうすれば悪いことや軽蔑されるようなことをしなくなるはずです。そして生き方が変われば理想的で他人が見習いたくなるような人間になれるはずです。だからこそ、まずは自分を尊敬することから始めてみてください。

自分を知ることから始めよう(『曙光』)

自分についてごまかしたり嘘をついたりしてはいけません。自分についてはいつも誠実であり、どういう考え方や反応をするのか知っておくべきです。自分をよく知っていないと愛を愛として感じることができなくなってしまいます。愛するために、愛されるためにも、まずは自分を知ることから始めるべきなのです。自分のことさえも知らないのだとしたら、相手のことを知ることもできないのです

自分は常に新しくなっていく(『悦ばしき知識』)

これまで真実だと思っていたことだとしても、今では間違いだったと思うこともあります。これまで自分にとって不変の信条だと思っていたことでも、今ではちがうこともあります。だからといってそれを過去のこととして忘れ去ってはいけません。なぜならその時の自分にとってはそれが真実であり信条であったのですから。私たちは常に脱皮して新しくなっていきます。だからこそ自分を批判すること、他者の批判を受け入れることが成長につながるのです。そうすることで、さらなる新しい自分になっていくことができるはずです。

信頼が欲しければ行動で示せ(『漂泊者とその影』)

もしも自分を信じていると公言する人がいたらあまり信用されないかもしれません。自分に酔っているナルシストか自己認識があまりに甘い人間の可能性が高いからです。だからこそ、他人から信じてもらいたかったら言葉よりも行動で示すしかないのです。とんでもない状況であったとしても真摯な行動だけが他の人の信頼をえられうるのです。

いつも機嫌よく生きるコツ(『人間的な、あまりに人間的な』)

不機嫌になる理由の1つは自分が誰かの役に立ってないと感じるからではないでしょうか。不機嫌な老人や青春の中にいる若い人たちがいるのは、まだ社会の中で誰かの役に立っていると実感することができていないからだといえます。だからこそ、機嫌よく生きていくためには人の助けや役に立つことが大切なのです。自分という存在の意味を実感することができて、純粋な喜びをえることができるのです

無限の豊かさは自分にある(『悦ばしき知識』)

同じことだったとしてもそこから1つか2つしか得ることができない人がいたとしたら、それは能力の差だと多くの人は思っているかもしれません。しかしそこから何かをえているのではなく、実は自分の中から汲みだしているのです。そこに触発されたことで自分の中で応じるものを自分で見つけ出しているだけなのです。だからこそ豊かなものを探すのではなく自分を豊かにすることが大切なのです。これこそ自分の能力を高める最高の方法であり、人生を豊かにしていくことになるのです。

2 喜について

満足が贅沢(『漂泊者とその影』)

「エピキュリアン」は享楽者や快楽主義者のように誤解された意味で使われています。しかしその語源となった古代ギリシアのエピクロスは生きるための快楽を追求したのです。その結果たどりついた頂点こそが「満足という名の贅沢」だったのです。ただしその贅沢に必要なものはそれほど多くはなかったのです。小さな庭、そこに植わっている数本のイチジクの木、少しのチーズ、数人の友人…これだけでエピクロスは充分に贅沢に暮らすことができたと言われています。

朝起きたら考えること(『人間的な、あまりに人間的な』)

1日をよいスタートで始めたいと思うのだとしたら目が覚めた時に、1日の間に誰か1人のために1つの喜びを与えてあげられないかと考えることです。それはどんなにささやかのものであってもかまいません。それを実現するよう努めながら1日を送るのです。この習慣を多くの人がもつことができればより早く世の中を変えることができるはずです。

精神が高まるほど繊細なものを喜べる(『漂泊者とその影』)

私たちは精神が高まっていくほど下品な高笑いをしなくなるようになるものです。軽率で破裂的な高笑いはほとんどしなくなって、ほほえみや喜びの表情が増えるものです。なぜなら世の中にはまだこんなにも素晴らしいことが隠されていたのかと、それらの発見に驚くことができるからです。つまり繊細なものを見分けることができる人ほど精神の高みに達しているのです。

3 生について

人生を最高に旅せよ(『漂泊者とその影』)

知らない場所でなんとなく行程を消化数することだけが旅行なのではありません。買い物だけをして帰ってくることも旅行だと思える人がいるのです。旅行先の見たこともない眺めをおもしろがる旅行者もいます。旅先での出会いや体験を楽しみにしている旅行者もいます。いっぽう、旅先での観察や体験をそのままにせず次に生かして豊かになる人もいます。人生という旅路においても同じことがいえるのです。その時その時の体験をただの記念品にしていたら毎日はきまりきった繰り返しになります。そうではなくどんなことでも明日につなげて自分を切り開いていく姿勢をもつことこそが、この人生を最高の旅にすることになるのです。

生活を重んじる(『漂泊者とその影』)

私たちは毎日の生活―つまり衣食住をあまりにおろそかにしがちです。普段の生活のほとんどは堕落であり、特別なことは他にあると考えているかもしれません。しかし人生の土台となっている衣食住についてもっと真摯に目を向けるべきなのです。もっと考え、反省して、知性と芸術的感性を生活の基本に差し向けてみてください。衣食住こそが私たちを生かしており、現実にこの人生を歩ませているからなのです。

脱皮して生きていく(『曙光』)

蛇は脱皮しなければ破滅してしまいます。それは人間も同じ古い考えの皮をいつまでもかぶっていたら、やがて内側から腐っていき、成長することなどできないどころか破滅してしまいます。常に新しくなっていくために考えを新陳代謝しなくてはいけないのです。

いつかは死ぬのだから(『力への意志』)

死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていきましょう。いつかは終わるのだから、全力で向かっていきましょう。時間は限られているのだから、チャンスはいつも今だと思いましょう。嘆きわめくことなんか、オペラの役者にまかせておきましょう。

4 心について

軽やかな心をもつ(『人間的な、あまりに人間的な』)

何か創造的なことにあたる時はもちろん、いつもの仕事をする時さえも軽やかな心をもっていればうまくいくものです。それはのびのびと飛翔する心、つまらない制限などかえりみない自由な心のことです。そんな軽やかな心をもっていないと思ったら多くの知識や芸術にふれるようにしましょう。そうすることで私たちの心は次第に軽やかさを持つことができるようになるはずです。

風景が心に与えるもの(『人間的な、あまりに人間的な』)

いつもの自分の生活や仕事の中でふと遠くを眺めた時に山々や森林の連なり、はるかなる地平線や水平線といった確固たる安定した線をもっていることが大切です。なぜなら、それらは見慣れた風景にすぎないかもしれないけれど、その風景の中の安定した線が私たちの内面を落ち着かせて安堵や信頼を与えてくれます。誰もがそのことを本能的に知っているからこそ窓からの風景を重視したり、セカンドハウスの場所を自然に近いところの中から選んでいるのです。

平等の欲望(『人間的な、あまりに人間的な』)

平等という言葉をよく使う人は次の2つの欲望のどちらかを隠しもっているのです。1つは他の人を自分のレベルまで引き下げようとする欲望のことです。もう1つは自分と他の人たちをより高いレベルにまで引き上げようとする欲望のことです。だからこそ、そこで言われている平等がどちらなのかをよく見極めなければいけません。

飽きるのは自分の成長が止まっているから(『悦ばしき知識』)

なかなか手に入らなそうなものほど欲しくなりませんか?しかし、いったん自分の手に入ってしまえばつまらないもののように感じてしまいます。それは物であっても、人間であっても、手に入れて慣れてしまうから飽きるのです。手に入れたものが自分の中で変化しないから飽きるのです。すなわち、自分の心が変化しないから飽きるのであって、自分自身が成長し続けない人ほど飽きやすいということになるのです。人間として成長を続けている人は常に変わることで同じものをもっても飽きないのです

なぜ自由な人はスマートか(『善悪の彼岸』)

自由になろうとものの見方をより自在にして、自分の能力と個性を最大限に生かそうとすることは多くの利点を生みます。なぜなら意識しなくても自分の欠点を拡大したり悪いことをしなくなったりするからです。ものの見方が自由自在であるので、そのようなことは自分にとって邪魔になるのです。また自分を自由にすることを妨げる怒りや嫌悪の感情も自然と不要になっていきます。自由な人がスマートですっきりした印象をあたえるのは、実際にその精神と心のあり方がスマートになっているからなのです。

5 世について

世間を超えて生きる(『善悪の彼岸』)

世間にありながら世間を超えて生きるようにしましょう。まずは自分の心がその時その時の動きによってあちこちへと動かないようにするのです。情動に振り回されるのではなく自分が情動の馬を乗りこなすことが必要なのです。これができれば、世間や時代のその時その時の流れや変化に惑わされなくなります。そして、確固たる自分をもつことで強く生きることができるようになるのです。

見かけにだまされない(『曙光』)

道徳的なふるまいをする人が本当に道徳的とは限らないものです。もしかしたら道徳に服従しているだけかもしれない―自分では何も考えないで世間体のためだけに従っているのかもしれないからです。また、思い上がりからそのようにふるまっているだけなのかもしれません。無力であきらめているかもしれないし、面倒だから道徳的にしているだけかもしれません。つまり、道徳的な行為そのものが道徳的だと決めることはできないということなのです。道徳はその行為だけでは本物かどうかなかなか判断することはむずかしいのです。

責める人はみずからをあらわにする(『曙光』)

誰かを責め立てる人やこの人が悪いのだと強く言い張る人がいます。そのような人は告発をすることで自分の性格を思わずあらわしていることが多いものです。第三者から見れば、責め立てる人の方こそ悪いのではないかと思えるほど、下品な性格をあらわにしてしまうものなのです。だからこそ、あまりにも激しく責め立てる人こそ周囲の人たちから嫌われるのです。

組織をはみ出す人(『人間的な、あまりに人間的な』)

私たちが考える以上によく考えて広い思考の幅をもっている人は、組織や派閥に所属することにはあまり向いていません。なぜなら、いつのまにか組織の利害を越えて広く考えるようになっているからです。組織や派閥は考え方においても私たちを枠にはめておくものです。だから、考え方の問題で組織になじまなかったとしてもおかしいと思わなくていいのです。それは、組織の狭い世界をこえてあなたが広い次元に達したことの証明なのですから。

ニセ教師の教えること(『力への意志』)

この世にはいかにもまともそうに見えるニセ教師がたくさんいるものです。ニセ教師が教えることは世渡りに役立ちそうなことばかりです。「これをすると得になるよ」「これをすると損をするよ」、よくよく考えてみれば、ニセ教師の教えることはすべて価値判断なのです。人間やものごとの本質となるものの見方など少しも教えてくれはしません。ニセ教師の言葉を信じて人生の本質がわからないまま生きていっていいのでしょうか?

6 人について

偉人は変人かもしれない(『悦ばしき知識』)

偉人と呼ばれる人が同時に人間的にも立派であったと断定する根拠などありません。その偉人はもしかしたら一般的な大人にはなりきれなかった人間―ただの子どもだったがゆえに偉大な業績を残すことができたのかもしれないのです。あるいは、時代の流れによってころころと色をかえるカメレオンのように、変幻自在な人間だったから時代に沿った仕事をなしえたのかもしれません。もしかしたら、魔法にかかった少女のように、途方もない非現実的な夢の中で生き続けたからこそ独特であったのかもしれないのです。

真に独創的な人物とは(『悦ばしき知識』)

何か奇抜なことをしてみんなの注目を集める人が独創的な人なわけではありません。それはただの目立ちたがり屋にすぎないのです。独創的な人の特徴の1つはすでに目の前にあるにもかかわらず、誰も気づいていないものを見ることができ、それに名前をつけることができる人です。名前が与えられることによって初めて他の人たちはそれが存在していることに気づきます。そうすることで、世界の新しい地部分が誕生していくのです。

自分の弱さと欠点を知っておく(『漂泊者とその影』)

成功している人は全てにおいて強く何事にも人並み外れて要領がよいように思われます。でも、成功している人たちにもみんなと同じように欠点や弱さがあるものなのです。彼らは欠点や弱さを誰からも見えないように隠しているわけではありません。それをあたかも強さのバリエーションであるかのようにカモフラージュしているのです。なぜなら、彼らは自分の弱さと欠点がどういうものなのかを熟知しているからです。多くの人は自分の弱点に対してみて見ぬふりをするものです。しかし、成功している人は弱点をよく見つめて理解しています。

7 知について

本質を見分ける(『漂泊者とその影』)

鉱泉の出方はそれぞれであり、流れ出るものやぽたぽた滴をたたらせるものもあります。泉の価値を知らない人はその水の量で豊かさを判断してしまいます。鉱泉の効用を熟知している人は含有成分によって鉱泉のよしあしを判断するのです。同じように、ほかのことに対しても見かけの多さや迫力に惑わされてはいけません。何が私たちにとって意味と価値がある質であるのか、つまり本質を見分ける眼をもつことがきわめて大切になるのです。

視点を変える(『曙光』)

何が善で何が悪か、人間としての倫理はどういうものかは時代によって異なります。古代では伝統のしきたりやはずれて自由にふるまうことは非行とみなされていました。個人としての行動、身分を越えた平等、見通しの立たないことなども悪だったのです。現代ではごくごくふつうとされている行動や考え方の多くが悪だったのです。視点を変えるとはこのようなことを言います。相手や状況を想像してみることだけが視点をかえるということではありません。古い時代のことを学ぶことも視点を変えることに大いに役立つのです。

古典を読む利益(『人間的な、あまりに人間的な』)

読書はたくさんの益をもたらしてくれますが古典は特に滋養に富んでいます。古い本を読むことで私たちは今の時代から大きく遠ざかることができます。つまりまったく見知らぬ外国の世界に行くことができるのです。それから現実にもどってくると、現代の全体の姿がこれまでよりも鮮明に見えるのです。こうすることで、私たちは新しい視点をもつことができるようになるのです。ものごとに行き詰った時の古典は知性への特効薬なのです。

学ぶ意志のある人は退屈を感じない(『漂泊者とその影』)

知識を積み、知識を教養と知恵に高め続けていける人は退屈を感じなくなるものです。あらゆることが以前にもましていっそう興味深くなっていくからです。他の人と同じように見聞したとしても学ぶ意志のある人は、教訓やヒントを容易に見出したり、考えの隙間を埋めるものを発見したりするのです。つまり、謎解きと知識獲得の面白さに彩られて意味のある充実に満たされているのです。このように毎日が発見と探索に満ちているのだからとても退屈なんかできないのです。

自分の哲学をもつな(『人間的な、あまりに人間的な』)

哲学をもつと一般的に言うときはある固まった態度や見解をもつことを意味しています。しかし、それは自分のことを画一化するようなものでもあります。それよりもその時その時の人生が語りかけてくるささやかな声に耳を傾けてみましょう。その方がものごとや生活の本質がよく見えてくるものです。それこそが、「哲学をする」ということにほかならないのです。

考えは言葉の質と量で決まる(『曙光』)

ふだん私たちは自分の考えや感情を心に思ったり誰かに話したりしています。その時、自分の考えはだいたい表現できており相手にも伝わっていると思いがちです。しかし、私たちは自分がもっている言葉でそれを表現しているのです。だから、もっている言葉が貧しければ表現も貧しくなるため、自分の考えや感情を充分にあらわすことができているとは言い難いのです。さらに、もっている言葉の質と量によって自分の考え方や心も決まります。だから、語彙の少ない人は考えも心のもち方もがさつになってしまうのです。優れた人との会話や読書などで言葉の質と量を増やすことは、自然と自分の考え方や心を豊かにすることにつながっているのです。

8 美について

理想や夢を捨てない(『ツァラトゥストラはかく語り』)

理想を捨ててはいけません。自分の魂の中にいる英雄を捨ててはいけません。夢や理想をもっていたと―過去のことだとなつかしむようになってはいけません。今でも自分を高くすることをあきらめないでください。理想や夢を捨ててしまうとそれを口にする人たちを嘲笑するようになってしまいます。心が嫉妬や嫉みに染まって濁ってしまい、向上する力や克己心もまた失ってしまいます。よく生きるために、自分を侮蔑しないためにも理想や夢を決して捨てないでください。

絶えず進んでいく(『ツァラトゥストラはかく語り』)

「どこから来たか」ではなく「どこへ行くか」が最も大切な価値だといえます。どんな将来を目指しているのか?どこまで高くいこうとするのか?そしてどの道を切り拓いて何を創造していこうとしているのか?過去にしがみついたり、下にいる人間と比べて自分をほめたりしてはいけません。より遠くへより高みを目指して絶えず進むことです。

矜持をもて(『善悪の彼岸』)

ほとんどの孔雀は人の前で麗しい尾を隠すものです。これは孔雀の矜持とよばれています。孔雀のような動物でもそうなのだから、わたしたちは人間としていっそうの慎みと矜持をもつべきでしょう。

知的で美しい人を探すなら(『曙光』)

教養があって美しい人を探したいなら美しい風景を眺めるようにしなければなりません。つまり、ある場所のある角度からの展望のみが美しいのです。同じように、その人の全体を見ないようにすることが大切です。たしかに、広範な教養をもった立派な人はいるものですが、真上から見る風景と同じように、その人が絶景と呼べるほど美しいわけではないのです。

9 まとめ

今回は「ニーチェに学ぶ2025年を最高の1年にする名言」について紹介しました。動画の中では紹介することができなかったこともまだまだありますので、ぜひ本書を手に取ってあなただけの名言を見つけてみてください。「哲学は何の役にも立たない」と思われがちですが、現代社会を生き抜くためのヒントが哲学の中にはたくさんあるのです。硬貨を捧げればパンを得られる、税を捧げれば権利を得られる、労働を捧げれば報酬を得られる、なら一体何を捧げればこの世の全てを知れる?『チ。-地球の運動について-』はこの言葉で始まりこの言葉で終わりを迎えます。ぜひその答えを2025年も一緒に探していきましょう。本日の旅はここまでです、ありがとうございました。

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