変化が激しく、正解のない現代社会。私たちはどのようにして未来を切り拓いていけばよいのでしょうか?
その答えは、意外にも「哲学」にありました。
今回は、全米トップ校であるスタンフォード大学オンラインハイスクールの校長、星友啓さんの著書『13歳からの哲学的思考』を参考に、なぜ今「哲学」がグローバルスキルとして注目されているのか、その本質をわかりやすく解説します。
1. スタンフォード生が「最も学んでよかった」と答える科目
世界屈指の進学校、スタンフォード大学オンラインハイスクール。ここで唯一の必修科目となっているのが「哲学」です。
卒業生たちが「最も学んでよかった」と口を揃えるこの教科は、単なる知識の習得ではありません。
- 「当たり前」を疑う力
- 新しい視点を見つける力
- 自ら問いを立てる力
これらこそが、予測不能な時代を生き抜くための「最強の武器」になるのです。
2. AIは「考えている」と言えるのか?(心身問題と認識論)
最近話題のChatGPT。まるで人間のように対話ができますが、果たしてAIに「心」はあるのでしょうか?
チューリング・テストと機能主義
数学者アラン・チューリングは、「人間と見分けがつかないほど会話ができれば、それは考えていると言える」と主張しました。これを「機能主義」と呼びます。
ジョン・サールの「中国語の部屋」
一方、哲学者のジョン・サールは思考実験を通じて反論しました。
「部屋の中にマニュアル通りに記号を並べる人がいても、その人は意味を理解しているわけではない。コンピュータもこれと同じで、単に記号を変換しているだけだ」
【ポイント】 私たちは、自分以外の心を見ることはできません。相手が同じように振る舞うから「心がある」と信じているだけかもしれない、という鋭い指摘です。
3. 「自分に責任がある」とはどういうことか?(倫理学)
日常のトラブルで「誰の責任か?」が問題になることがあります。アリストテレスは、責任の所在を以下の2点で考えました。
- 意図(わざとしたのか?)
- 認識(そうなるか分かっていたか?)
しかし、現代の哲学ではさらに深掘りされます。たとえば、「知るべきことを放置した場合(不作為の責任)」や、過去の意思に関係なく「未来の再発防止のために責任を問う(帰結主義)」という考え方です。
「過去に何をしたか」だけでなく、「未来をより良くするためにどう動くか」という視点は、現代のビジネスやリーダーシップにも直結する知恵です。
4. 私たちは本当に「自分の意思」で決めているのか?
「自由意思」についても、最新の科学と哲学が交差する面白い議論があります。
- リベットの実験: 人が「動こう」と意識する0.5秒も前に、脳がすでに準備を始めているという衝撃の研究結果。
- 決定論: 全ての出来事は宇宙の始まりから物理法則によって決まっているという考え。
もし全てが決まっているなら、努力に意味はないのでしょうか?ここで注目されるのが「量子力学」的な視点です。
世界が確率で動いているなら、私たちの選択には常に「別の未来」への可能性が開かれている。そう考えることで、私たちは自由を取り戻すことができます。
結論:哲学は「魂を耕す」究極の能動的スキル
古代ローマの哲学者キケロは言いました。
「魂を耕すことが哲学である」
哲学の本質は、受け身の姿勢をやめ、自らの力で考え始めることにあります。人生の大きな困難や不安に直面したとき、思考を停止せず「なぜ?」と問い直すことで、私たちは初めて自分の人生の主導権を握ることができるのです。
編集後記:動画でさらに深く学びたい方へ
今回の内容は、動画のほんの一部です。より詳しい思考実験や具体的な事例については、ぜひYouTube動画をチェックしてみてください!



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