【#世界はラテン語でできている】歴史も地名も政治も宗教も科学も映画もゲームも、全ての元にはラテン語があった?ラテン語を理解できれば世界を理解することができる!

哲学×エンタメ

今回は「ラテン語と人類2500年の歩みを眺める」について解説したいと思います。参考文献は『世界はラテン語でできている』(著者:ラテン語さん)です。

【#世界はラテン語でできている】歴史も地名も政治も宗教も科学も映画もゲームも、全ての元にはラテン語があった?ラテン語を理解できれば世界を理解することができる!

「ラテン語」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?ラテン語はもともとイタリア半島のある都市の言語として使用されていました。それが古代ローマ帝国の拡大によってヨーロッパ中に広がっていくことになり、現在のフランス語、スペイン語、ポルトガル語、英語、イタリア語などの元になったのです。

近代までは学者が本を書く時にはラテン語を使用することが普通であったことから、全世界で通用するべき学名としての言語にもラテン語が選ばれています。「ダンテはラテン語ではなくトスカーナの方言で『神曲』を書いた」こちらの動画で解説をしているのですが、それが驚くべきことだと理解できると思います。

そんなラテン語は、私たちが思っている以上に広い分野で使われていて、日常生活の中でも気づかないうちにラテン語にふれていることがたくさんあるのです。たとえば、アルファベットはラテン語を書くために古代ローマで生まれた文字です。正式にはラテン文字といわれているのですが、2500年たった今でも世界中で使われていることを考えたら驚嘆しますよね。 そのため、ラテン語について学ぶことができれば、現代社会で目にする難しそうな言葉の意味を推測することができるようにもなります。

たしかに、ラテン語をマスターすることはなかなかできることではありません。しかし、ラテン語の教養を少し身につけておくだけでも世界を見る目はきっと変わります。 いつの時代であっても歴史の中心には常に欧米の存在があるのですが、それらの国々が使っていた言語について知ることの意味は軽いものではありません。ぜひ、動画を最後までご視聴して頂きラテン語について学んでみてください。

1 ラテン語と世界史

ラテン語の歴史を考える以上はhistory(歴史)という英語の語源を探ってみましょう。「historyの語源はstory(物語)」「historyはhis story(時の権力者の物語)」このような説を聞いたことがあるかもしれませんがどちらもちがうようです。Historyの語源は「探究、記述、歴史、物語」をさすラテン語historiaです。

そんなラテン語のhistoriaを語る上で最重要な存在がローマ帝国です。そもそも、ローマという都市は言い伝えの話によりますが、紀元前753年にできたイタリア中西部の小さな共同体だったそうです。その後、イタリア半島を統一して周辺の国々をも従わせるローマ帝国になったのです。

ローマ帝国の影響は地中海のみならずグレートブリテン島にまで及びました。(イギリスの歴史についてはぜひこちらの動画をご覧ください)

たとえば、ウスターやマンチェスターという地名の後半部分(チェスター)について、これはラテン語のcastrum(城砦)が語源なのでローマ兵の城砦があった場所なのです。これが英語のcastle(城)やシャトーと表記されるフランス語の城にもなりました。

ほかにも、ドイツにあるケルンという地名の語源はラテン語のcolonia(植民市)です。ローマ皇帝クラウディウスの妻である小アグリッピーナを称えるためにつけられました(小アグリッピーナは暴君ネロの母親で後にネロによって暗殺されてしまいます…)。これが英語のcolony(植民地)の語源にもなっているのです。フランス語のオーデコロンも元はケルンを示すもので意味は「ケルンの水」なのです。

ローマ皇帝といえば有名なのはユリウス・カエサル(シーザー)ではないでしょうか。カエサル以降のほとんどの皇帝は名前の中にcaesarを入れているのです。(ネロ帝であれば「ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマにクス」)。この固有名詞ceasarが後に皇帝そのものを表すようにもなっていくのです。

ロシア帝国においても皇帝の称号(ツァーリ)の語源として使用されています。ちなみに、シーザーサラダはカエサルではなく米国でレストランを開いた人の名前です。

ローマ帝国によるラテン語の影響はヨーロッパだけでなくアラビア世界にも及びました。計算手順や処理手順を表すアルゴリズムはアラビア語に由来する言葉なのですが、これも中世ラテン語のalgorismus(アラビア式の記数法)だとされています。

アラビア語といえば語頭のalをよく目にしますがこれは英語のtheと同じようなものです。alchemy(錬金術)、alcohol(アルコール)、Alhambra(アルハンブラ宮殿)などは、アラビア語から中世ラテン語を通じて英語に入ってきたものなのだそうです。

錬金術といえば漫画『鋼の錬金術師』の英語名はFullmetal Alchemistですよね。このalchemyもアラビア語のal-kimiya(科学や錬金術)なのですが、後半のkimiyaは古典ギリシア語のkhumeia(合金技術)だとされています。これが英語のchemistry(化学)の語源にもなっているのです。

1215年にイングランドのジョン王が調印したのがMagna Chartaマグナ・カルタです。マグナとはラテン語のmagna(大きい)であり、日本列島にあるフォッサマグナという地帯の名前も「大きな溝」という意味です。地震の規模を表すmagnitudeや壮大なという意味のmagnificentの語源でもあります。カルタの部分は英語のcard(カード)やchart(海図)、日本のカルタ(ポルトガル語のcartaが語源)、ドイツ語のkarte(カルテ)の語源です。

ダンテと同時期のルネサンス作家ジョバンニ・ボッカッチョの『デカメロン』、これはペストから逃れた10人の男女が10日間で物語を語るという内容となっています。この『デカメロン』は「十日物語」と訳されているのですが、デカは「10」メロンは「日」という古典ギリシア語が元の意味になっているのです。

中世が終わるといよいよ大航海時代(ヨーロッパによる侵略時代)が始まります。オーストラリアという国名はラテン語でTerra Australis(南の土地)なのですが、これはヨーロッパ人から見た「南」を意味する言葉が下になっているのです。アフリカで発見された初期人類アウストラロピテクスの学名も「南の猿」という意味です。

ちなみに、名前の似ているオーストリアは南ではなく語源は「東の国」です。実はオーストの部分が英語のeast(東)の語源と同じなのです。しかし、これら東と南の語源も元をたどれば同じ方角を示すものだとされているようです。

ラテン語のaurora(暁)が語源となってそのまま英語のオーロラにもなっています。暁を語源とするローマ皇帝といえばAurelianusアウレリアヌスであり、この皇帝の名を冠する都市の名前がフランスのオルレアンとなっているのです。

そして、オルレアンの名前を元にしたのがアメリカのニューオーリンズなのです。(オルレアンの乙女で有名なジャンヌ・ダルクについてはこちらの動画をご覧ください)。

アメリカといえば、南米のことをよく「ラテンアメリカ」と表現しますよね。現在メキシコ、ペルー、ボリビア、コロンビアなどではスペイン語、ブラジルではポルトガル語が話されているのでラテン語を話すアメリカということです(もちろん、もともとは現地の言葉で話していましたが侵略されてそうなったのです…)。

最後に、そもそもの「ラテン」という言葉の語源について考えてみましょう。これはイタリア中西部にあった古代の地名ラティウム(Latium)が由来とされています。やがて、ローマ帝国の勢力が拡大していくのに伴って、ローマの言語が「ラティウム地方の言語」(ラテン語)と呼ばれるようになるのです。

2 ラテン語と政治

ラテン語は多くの政治用語の語源にもなっています。たとえば、上院を示す英語Senateはフランス語でもSenatといい同じ語源をもちます。Senateはラテン語のsenatus(元老院)であり、これはsenex(老人)から派生しているので元老院という訳も語源に忠実なのです。

もともと、ローマの元老院は王の諮問機関として定員は300人ほどだったようです。共和制ローマでは高級官吏への助言や外交交渉など強い影響力をもっていましたが、帝政時代になるとだんだんと影響力を衰えていくようになります。

そんなローマの紋章やマンホールのふたには「SPQR」という4文字が描かれています。これはラテン語でSenatus Populusque Romanus(ローマの元老院と人民)の略です。映画『グラディエーター』では主演のラッセル・クロウが陰謀によって奴隷になった時に、腕にある市民の証SPQRの刺青を消すシーンが出てきましたよね。

古代ローマの伝説的な政治家ルキウス・クィーンクティウス・キンキンナートゥスの名前はアメリカのオハイオ州シンシナティ市の名前の語源にもなっています。元はシンシナティ協会という結社で初代会長はジョージ・ワシントンなのです。キンキンナートゥスは執政官を務めた後に農園で暮らしていたところ、ローマが危機を迎えるたびに何度も独裁官に任命されるのですが必ず農園に戻ったのです。このキンキンナートゥスの無欲さは模範的な人間の生き方であると捉えられたのです。そのためか、初代会長のワシントンも大統領の任期を終えた後は農園で過ごしていました。イギリスのボリス・ジョンソン首相が辞任するときのスピーチでも「私はキンキンナートゥスのように畑にもどる」と言っていました。

イタリアで生まれたファシスト党の党首ベニート・ムッソリーニは議会制民主主義や共産主義革命などを否定した反革命独裁を志向した政治家でした。ファシスト党の党章にはその語源にもなっているファスケースが描かれています。この束ねた木の棒に斧が差し込まれたものは古代ローマにおける権威の象徴でした。この斧はラテン語でsecurisといい、語源はseco(切る)なのです。ラテン語のsecoは英語のsect(分派や宗派)、section(部門)の語源にもなっています。

このファスケースはファシスト党だけでなくフランスの紋章やエクアドルの国章、ホワイトハウスの大統領執務室や下院の本会議場などにも描かれています。現代では否定的なイメージをもつファシズムの語源でもあるファスケースは、それとは切り離されて権威の象徴から結束の象徴のように使用されるようになりました。

ローマにあるスポーツ複合施設フォロ・イタリコは第二次世界大戦の時代までフォロ・ムッソリーニとよばれていたそうです。このスポーツ施設にオベリスク(古代エジプト式の記念柱)があるのですが、ここにはラテン語で指導者ムッソリーニと刻まれているのです。ファシスト党はイタリアと古代ローマのつながりを示そうとしていたようです。

第一次世界大戦で国が傾き混乱していた時期に栄光のローマ帝国を復活させようとしたのがムッソリーニである―台座にはファシズムやムッソリーニを賛美するような文章がラテン語で刻まれています。当時1932年のイタリアではファシズムの未来は明るかったのかもしれませんが、実際には第二次世界大戦で敗北してムッソリーニは逮捕されることになります。そして、死後にファシスト党も解散したことでオベリスクは負の遺産へと変り果てました。

古代ローマの栄光は現代になっても輝かしいものであることは間違いないため、ラテン語を使用することが独裁者への権威付けなどに利用されることも忘れないで下さい。

3 ラテン語と宗教

中世ヨーロッパの聖書といえば、ヒエロニムスのラテン語訳(ウルガータ)が一般的でした。聖職者たちはラテン語でコミュニケーションをとっていたほど、キリスト教におけるラテン語の影響力はとても大きいものだったといえます。

なんと、16世紀のイングランドでは聖職者と市民が受ける裁判はちがうものでした。(どちらが優遇されていたかは言わなくてもわかりますよね?)そのため、その人が聖職者かどうかを見分けるために、ラテン語の聖書(ウルガータ)の一節を暗唱できるかどうかを判断基準にしていたのです。

その一節の中に出てくるmiserereは英語のmiserable(憐れな)と同じ語源なので、フランスの小説『レ・ミゼラブル』(憐れな人たち)を思い出した人もいるかもしれません。また、secundumは「~に従って」という意味の前置詞であり、sequor(後を追う)という動詞から派生しています。sequorは英語のsecond(2番目)の語源にもなっているのでsecondに「支持する」という意味があるのも「従う」からの派生なのでしょう。ほかにも、secondには「秒」という意味もあるのですが、これは「1時間を2番目に分けたもの」という意味にもなっているのです。

英語のpassionという言葉からは多くの人が「情熱」という意味を思い浮かべるでしょう。では、パッションフルーツは「情熱の果物」なのかといえば…そうではありません。英語のpassionはラテン語のpatior(こうむる)という動詞が語源にあります。ptiorからは英語のpatience(忍耐)やpatient(患者)などもあります。そのため、パッションフルーツのpassionは「こうむる」の意味合いが強く、「キリストの受難」を示しているといわれています(キリストの受難を描くメル・ギブソン監督の映画『パッション』もこの意味ですね)。

なぜキリストの受難なのかといえば、花の部分がキリストの磔刑を連想させるからです。めしべの柱頭がクギ、5本のおしべはキズ、副花冠は茨の冠、そして花被はキリストの使徒たちをあらわしているとされています。そのため、はじめはトケイソウという花が「パッションフラワー」と呼ばれました。写真を見てみると一目瞭然だと思います。

キリスト教と関係の深いものとして教会での結婚式があります。チャペルは英語で礼拝堂という意味でその語源はラテン語のcappella(礼拝堂)です。実はcappellaの元々の意味は「小さな外套(マント)」です。また、伴奏をともなわない曲を指すアカペラもchapelと同じ語源をもっています。雨の日にかぶるカッパもポルトガル語のcapa(外套)が語源でラテン語に遡れます。これが英語のcape(ケープ)やcap(帽子)などに派生していくことになるのです。

キリスト教にはカトリックとプロテスタントなどの派閥があるのですが、カトリック教会からプロテスタントが分かれた宗教改革にもラテン語が関わっています。聖職者マルティン・ルターは贖宥状を出したカトリック教会を批判して、『95ヶ条の論題』をヴィッテンベルグにある教会の扉に張り付けたのです。

さて、ルターはこれをラテン語で書いたことからあくまで聖職者との議論が目的でした。(ラテン語は知識階級が使うものであることから民衆に訴えかけたわけではないのです)。その後、ルターが聖書をドイツ語に翻訳したことで聖書は広く読まれるようになりました。

贖宥状を通して建て替え費用を賄おうとしたのがバチカンのサン・ピエトロ大聖堂です。キリストの弟子でその長とされる聖ペテロの墓の上に建てられたカトリック教会の総本山、それこそがサン・ピエトロ大聖堂(聖ペテロ大聖堂)なのです。大聖堂の建物正面の碑文にはPONT MAXという言葉があるのですが、これは「ローマ教皇pontifex maximus」のことを示しています。ラテン語でpons(橋)が語源でpontifexは「橋を造る人」という意味だったようです。神々と人々の間に立つという神祇官のイメージが反映されているといえるでしょう。ローマ教皇とラテン語の解説についてはこちらの動画もご視聴ください。

ペテロを祀ったほかの教会にはミケランジェロの代表作モーセ像が設置されています。モーセはユダヤ教のみならずキリスト教やイスラム教でも重要な預言者とされています。エジプトで囚われていたユダヤ人をパレスチナへ脱出させた「出エジプト」が有名です。モーセが神から『十戒』を授かる場面ではなぜか2本の角が描かれることが多いのです。これはラテン語の聖書に「神と話したので顔に角が生えていた」と訳されているためです。

ところが、20世紀に作成された新ウルガータ(ラテン語の聖書)では、「神と話をしたために自分の顔の皮膚が輝いていた」となっているのです。『旧約聖書』の原文はヘブライ語でQRNと書かれているのですが、ヘブライ語では母音を書くことはないためどう読めばいいのかわからなかったのです。そのため、qerenならば「角が生えていた」、qaranならば「輝いていた」になります。現代の訳者たちは「角が生えた」ではなく「輝いた」という解釈をしたということです。

4 ラテン語と科学

ローマ帝国が滅びた後でもヨーロッパでは学者同士が話し合いをするときや本を書く時などにはラテン語が使用されていました。ドイツの学者やフランスの学者もいるので共通語があった方が便利だったと考えられます。

数学者フェルマーが残したフェルマーの最終定理もラテン語で書かれていました。フェルマーは1665年に亡くなったのですが証明されたのは1995年のことでした。

また、コペルニクスの『天球回転論』は地動説を世に広めたことでも有名な本です。コペルニクスはこの本の中で「太陽の近くに宇宙の中心が存在する」と書いています。コペルニクスの地動説は「太陽中心説」とよばれることがあるのですが、「太陽は静止している」と書いてあるだけなので「太陽静止説」と呼ぶ人もいます。

コペルニクスにちなんで宇宙に関する言葉の多くもラテン語が深くかかわっています。太陽を表すラテン語のsolはsolar(太陽の)の語源でソーラパネルなどに使われています。水星を表すMercuriusは英語のMercury(水星)の語源となっていて、ローマ神話における商人の守護神メルクリウスが元になっています(ギリシア神話のヘルメスであり、フリマアプリのメルカリの語源でもあります)。翼のあるサンダルを履いた姿で描かれることの多いメルカリは、素早くメッセージを届ける役割や惑星の中で公転速度が最も速いことにも関係しています。

金星を表すVenusは美の女神ヴィーナスの名前が元になっています(ギリシア神話ではアフロディーテ)。

地球を表すTerraというラテン語にはほかにも「大地」という意味があります。英語のterrestrial(地球の)の語源でextraterrestrial(地球外生命体)に派生しています(この単語が省略されるとスピルバーグ監督の映画『E.T.』となるのです)。

英語で月はmoon「月の」という形容詞はlunarですが語源はラテン語のluna(月)です。英語のlunacy(精神異常)の語源でもあり昔は月が精神に影響を与えるとされていました。

火星を表すMarsは戦の神マルス(マーズ)が元になっています。(ギリシア神話ではアレス)。戦の神であることからmartial arts(武道)のmartialの語源などにもなっています。

木星を表すIupiterはローマ神話の最高神ユピテル(ジュピター)が元になっています。(ギリシア神話ではゼウス)。

土星を表すSaturnusはユピテルの父サートゥルヌス(サタン)が元になっています。(ギリシア神話ではクロノス)。

天王星を表すUranusはギリシア神話の天空の神ウーラノスが元になっています(ローマ神話ではカエルス)。

海王星を表すNeptunusは海神ネプトゥーヌス(ネプチューン)が元になっています(ギリシア神話ではポセイドン)。

惑星だけなく星座にもラテン語が多く使われています。おひつじ座を表すAriesはラテン語のaries(牡の羊)がそのまま使われています。

おうし座を表すTaurusもラテン語のtaurus(雄の牛)がそのまま使われています。アミノ酸の一種タウリンの語源で牛の胆汁から発見されたことに由来するそうです。

ふたご座を表すGeminiはラテン語のgemini(双子の人たち)が元になっています。双子の名前はカストルとポルクスといいふたご座を構成する星の名前にも入っています。

かに座を表すCancerは英語cancer(がん)の語源にもなっています。腫瘍とそれを取り囲む無数の血管がカニのように見えたということでしょう。

しし座を表すLeoはラテン語のleo(ライオン)が元になっています。leoは英語のlion(ライオン)やdandelion(タンポポ)の語源となっています。アフリカの国名シエラレオネもその成り立ちは「ライオンの山」となっています。

おとめ座を表すVirgoはラテン語のvirgo(おとめ)が元になっています。おとめは古典ギリシア語でparthenos言いパルテノン神殿の由来にもなっています。おとめ座で最も明るい星スピカは「麦の穂」というラテン語spicaが元になっていて、スポーツ選手などの靴裏にあるスパイクspikeと同じ語源なのです。

てんびん座を表すLibraはラテン語のlibraがそのまま使われています。イギリスの通貨ポンドを表す記号£はlibraの頭文字のLが元になっているのです。なぜなら、ラテン語のlibraは重さの単位としても使われていたのです。

さそり座を表すScorpioはラテン語のscorpioが元になっています。英語のscorpion(さそり)の元にもなっているのですが、さそり座の心臓アンタレスは「アレスに対抗する星」という意味があるようです。

いて座を表すSagittariusはラテン語のsagittarius(弓を射る人)が元になっています。

やぎ座は英語でCapricornですがラテン語ではCapricornusとなっています。

みずがめ座を表すAquariusはラテン語のaquarius(水を運ぶ人)が元になっています。aqua(水)は英語のaquarium(水族館)などにも使われています。

うお座を表すPiscesはラテン語のpisces(魚)が元になっていますが、これは複数形なのでうお座として描かれる魚は二匹となっているのです。イタリア語のpescatore(漁師)の語源にもなっているので、パスタのペスカトーレには「漁師風のスパゲッティ」という意味があるのです。

5 ラテン語と現代&日本

最後に現代になってもラテン語の影響を受けているものについて紹介します。まずは、『ハリーポッター』に登場する呪文や人物について見てみましょう。(作者のJ・K・ローリング氏は大学でラテン語を学んでいたそうです)。

相手を苦しめる「クルーシオ」はラテン語のcrucio(私は苦しめる)が元になっています。crucioの語源はcrux(十字架)で英語のcross(十字)の語源にもなっています。セブルス・スネイプ先生やリーマス・ルーピン先生の名前にもラテン語が関わっています。severusはラテン語で「厳しい」という意味で英語のsevere(シビア)の語源なのです。ルーピン先生の姓Lupinはラテン語のlupinus(オオカミの)が元になっていて、名Remusはローマ建国伝説でオオカミに育てられたレムスと同じ綴りとなっています。

ゲーム『ファイナルファンタジーⅦ』ではセフィロスとの戦闘曲にもラテン語が出てきます。冒頭「Estuans interius ira vehementi(心の中で激しい怒りに燃えつつ)」は、『カルミナ・ブラーナ』という中世のラテン語の詩集から引用されているそうです。

『ファイナルファンタジー零式』の曲「我ら来たれり」の歌詞もラテン語です。(零式のOP映像とこの曲があまりにかっこよすぎるのでぜひ検索してみて下さい)。

古代ローマを身近なものにした漫画といえば『テルマエ・ロマエ』でしょう。タイトルのthermae Romaeは「ローマの温浴場」というそのままの意味なのです。作者のヤマザキマリさんはイタリア人の方と結婚されているのですが、やはりイタリア人はラテン語に対する強いこだわりのようなものがあるそうです。マンホールにSPQRと書かれているように古代ローマを誇りに思っているのでしょう。旅行をしていた時にドイツとフランスしか行っていないことに憤慨したイタリア人から、「Omnes viae Romam ducunt(全ての道はローマへ通ず)」を教えられたそうです…。また、イタリアの美術学校に通っていた時には美術史の先生からキケロの言葉―「Cultura animi philosophia est(魂を耕すことが哲学である)」を教わったそうです。(ステキな言葉なのでチャンネルのキーワードとして使わせてもらおうと思います…)。

6 まとめ

今回の動画は「ラテン語と人類2500年の歩みを眺める」について解説してきました。動画では全てを紹介することができなかったのでぜひ本書を手に取ってみてください。

私たちが何気なく使っている言葉や目にする文章にもラテン語が大きく関わっていました。著者の「ラテン語さん」はXでラテン語の魅力を発信されていますので、ぜひアカウントをフォローしてこれからもラテン語について学んでみてください。

ラテン語さんはディズニーシーのホテルミラコスタのロビーに飾られた大きな絵について、ラテン語の説明を読み解きたいと思ったのがラテン語を学ぶきっかけだったそうです。実は私もファイナルファンタジー零式をプレイした時や『テルマエ・ロマエ』を読んだ時、「ラテン語のことをもっと知りたいな」と漠然と思っていたところだったのです。この本が出版されたことを知ってすぐに購入して今回このような形にできて満足です。

ラテン語は私たちの日常生活に大きく関わっていることがわかって頂けたと思います。これからもラテン語の教養をもとに世界を少し高い視座から見られるようにしましょう。

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