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「なぜ私たちは選挙に行き、自分の財産を守る権利があるのか?」――普段当たり前だと思っている社会のルール。実はこれ、数百年前の哲学者たちが命がけで導き出した「発明品」なのです。
今回は、絶対王政を打破し、現代の民主主義や資本主義の土台を作った「社会契約説」「功利主義」「道具主義(プラグマティズム)」という3つの大きな思想の流れを解説します。歴史の「補助線」を引くことで、今の社会がもっとクリアに見えてくるはずです。
1. 社会契約説:王の権力から「市民の権利」へ
中世ヨーロッパは、王の権力は神から授かったものとする「王権神授説」の時代でした。しかし、これでは王が悪政を行っても誰も文句が言えません。そこで登場したのが社会契約説です。
- ホッブズ: 人間を放っておくと「万人による万人の闘争」になる。だから、平和のために強い国家(リヴァイアサン)に権利を預けようと考えました。
- ロック: 人間には生まれながらに「生命・自由・財産」を守る権利(自然権)がある。政府がこれを守らないなら、市民には「抵抗権」があるとし、名誉革命やアメリカ独立に影響を与えました。
- ルソー: 「自然に帰れ」と説き、公共の利益(一般意思)に基づく直接民主主義を理想としました。フランス革命の精神的支柱となった思想です。
2. 功利主義:「最大多数の最大幸福」というモノサシ
産業革命が進む中、社会をどう運営すればみんなが幸せになれるのか?その答えを「結果」と「効率」に求めたのがイギリスの功利主義です。
- ベンサム: 「最大多数の最大幸福」を掲げました。幸福とは「快楽」であり、それは計算可能であると考え、法律による社会改革を目指しました。
- J.S.ミル: 「満足した豚であるより、不満足な人間である方が良い」と述べ、快楽の「質」を重視。他人に迷惑をかけない限り自由であるという「他者危害の原則」を確立しました。
3. プラグマティズム:理論よりも「役に立つか」
一方、アメリカでは独自の哲学プラグマティズム(道具主義)が生まれました。伝統や権威に縛られず、「結局、それは現実に役立つのか?」を重視するフロンティア精神の現れです。
- パース&ジェームズ: 心理とは固定されたものではなく、現実に良い効果をもたらすかどうかが重要だと説きました。
- デューイ: 思想とは生活を改善するための「道具」である(道具主義)。教育においても、自ら体験して学ぶ「ラーニング・バイ・ドゥーイング」を重視し、現代教育に多大な影響を与えています。
まとめ:哲学がなければ、私たちは今も暗黒時代にいた
「哲学なんて役に立たない」と言われることもありますが、もし彼らがいなければ、私たちは今も自分の財産すら持てない、不自由な世界にいたかもしれません。
私たちが享受している「自由」や「権利」は、過去の哲学者たちが思考の闘争を繰り広げた結果です。この歴史を知ることは、変化の激しい現代を生き抜くための「ゲームチェンジ」の力になるでしょう。
詳しい解説は動画をチェック!
国家の役割、幸福の計算方法、そしてアメリカのフロンティア精神まで。近代思想の熱い物語を20分の動画に凝縮しました。続きはぜひこちらから!
【近代の哲学思想③社会契約説と功利主義・道具主義】私たちが民主主義の社会で暮らすことができるのはこの時代の思想的大転換があったから!?現代では当たり前の社会制度の原点はこの時代に誕生した!
次回予告: 近代哲学を完成させた巨人「カント」と「ヘーゲル」、そして社会主義を構想した「マルクス」へと旅は続きます。お楽しみに!



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