哲学とは?

「哲学」と聞くと「哲学は難しそうだけど何かの役に立つの?」というイメージを持っている方がほとんどではないでしょうか?哲学とはもともと「philosophy(愛知)」のことであり、「知(sophy)を愛する(philo)」という意味です。

明治時代に西周が「賢哲を愛し希求する」という意味で「希哲学」の訳語を造語したところに由来があります。希には「乞い願う」という意味があり、哲には「あきらか」という意味があることから希哲学すなわち「あきらかにすることを乞い願う学問」となったのです。

哲学を一言であらわすならば「真理を探究する知的営み」ということになるでしょうか?つまり哲学とは「そもそも正義とは何か?」「そもそも善いとは何か?」「そもそも美しいとは何か?」のように「そもそも」を哲かにする学問ということです。

そんなことを考えても何かの役に立つわけではないよね?

と思われる方もいるでしょう。しかし哲学の本質は「役に立つかどうか?」ではないのです(もちろん役に立つこともいっぱいあるのですけど)。哲学というのは「考えることが大好き!」「考えることがおもしろい!」と感じることができるところが最大の魅力なのです。

たとえば現代は絶対に正しいものはないのだからみんなそれぞれでいいんじゃない?という相対主義の時代です。しかしそんな相対主義の中にあっても「それぞれちがっていいけど、ここまでならだれにとっても正しい」といえることがきっとあるのではないか、そして問題の本質を哲かにしてそれを克服するための方法を見つけようと徹底的に考えることが哲学なのです。

そのような徹底的な哲学的思考の末に誕生したものの1つが「民主主義」なのです。人類が過去何千年もの間争い続けてきた歴史の中で、つい200年ほど前に誕生した概念こそ「民主主義」です。それまでは王族や貴族が存在していて不平等が存在するのは当たり前でした。しかし私たちはお互いがお互いに対等であり「自由」な存在であることを認め合うこと、そのようなルールによって社会を作っていくこと(これを「自由の相互承認」の原理といいます)という民主主義を思考によって実現することができたのです。

これからブログ、YouTube、Instagramなどを活用して哲学の魅力を発信していきたいと思っています。ぜひ私と一緒に「Re:ゼロから始める哲学生活」をスタートさせてみてください。

①物事を根本原理から統一的に把握・理解しようとする学問。古代ギリシアでは学問一般を意味し、近代における諸科学の分化・独立以降、諸科学の批判的吟味や基礎づけを目ざす学問、世界・社会関係・人生などの原理を追求する学問となる。認識論・倫理学・存在論・美学などを部門として含む。

②俗に、経験などから築き上げた人生観・世界観。また、全体を貫く基本的な考え方・思想。

『広辞苑』

古代ギリシャの哲学は、三通りの学に分かれていた。すなわち物理学、倫理学および論理学である。この区分は、哲学というものの本性にかんがみてしごく適切であり、これに区分の原理を付け加えさえすれば格別訂正すべき点はないと言ってよい。

(イマヌエル・カント)

哲学の目的は思考の論理的明晰化である。哲学は学説ではなく、活動である。哲学の仕事の本質は解明することにある。哲学の成果は「哲学的命題」ではない。諸命題の明確化である。思考は、そのままではいわば不透明でぼやけている。哲学はそれを明晰にし、限界をはっきりさせねばならない。

(ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン)

科学は哲学を役に立たない学問だと批判する。しかし哲学はそもそも真理を追究する学問であるので常にその「途中」の状態が続いているのである。だからこそ哲学は何の役にも立たない学問であるがその過程には大きな価値がある。

(カール・ヤスパース)

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